奪われる22

ゆうくん
2005年01月12日
4,059
美奈子は全ての衣服を奪われ、ベッドの上に仰向けで横たえられている。
安西は一糸まとわぬ美奈子の肉体を、じっくり眺めた。美奈子の裸体は、これまで見てきたどんな女よりも魅力的だった。
美しい中にもあどけなさを残す容貌、横になっても高さを失わない双乳、縮れの少ない小判形の淡い恥毛、それを透かして見える女の切れ込み。
――ククク、最高だな。いい身体だ‥‥。これほどの女はめったにいないぞ‥‥。
「ふふふ、奥さん。随分綺麗な身体ですね。芸術写真にふさわしい」
「‥‥‥‥」
美奈子は安西の視線が己の裸身を這い回っているのを強く感じた。
激烈な羞恥にさいなまれ、奥歯を食いしばって耐える。相変わらず目を閉じたまま、顔を横に伏せたままだ。
抵抗する意志と手段を奪われ、冷酷な視線の前に、生まれたままの肉体を晒しているのだ。それも身につけるものを徹底して剥ぎ取られ、頭から爪先まで糸くず一本まとっていない完全なる裸体である。
激烈な羞恥と屈辱が再び身体を硬直させたらしく、両手が“気をつけ”をするように、指先までまっすぐ伸び、上半身の左右にピタリと貼りついている。
足も、少しでも股間の茂みを隠そうとするように、付け根から爪先まで硬く閉じられていた。
そんな美奈子の全身を舐めまわす、安西の粘着質の視線の動きが、次第に変化してきた。それまで頭から爪先までせわしく動きまわった濁った目が、美奈子の肉体のある部分で、貼り付いたように留まることが増えてきたのだ。
その部分は、いうまでもなく、二本の太ももの付け根と下腹部が織りなす三角地帯だった。
全身を何往復も舐め回すうちに、やがて、女の一番大切な部分に視線が惹きつけられる時間がだんだん長くなる。
そしてついに安西の視線が美奈子の股間に吸い寄せられたまま動かなくなった。じっと凝視する。
美奈子の両の太ももは、隙間ができないようにピタリと合わせられている。
が、薄い茂みを乗せたなだらかな丘の部分や、その茂みの中から下方に伸びる亀裂の先端は、足を閉じても安西の凝視から逃れることはできない。
しかも、美奈子のスレンダーな体型が災いした。足が細いので、しっかりと太ももを閉じ合わせても、付け根の辺りにわずかな隙間が生じてしまうのだ。
目を高い位置に持って行くと、その隙間から股間の半ばまで視界に収めることができた。むろんピタリと足を合わせているので、淡い陰毛を透かして、土手の合わせ目が一条の溝となっているのが見えるのみで、内部までは見通すことができない。
安西はすばやく美奈子の左右の足首をそれぞれの手に持った。
「‥‥えっ?‥‥キャ!」
美奈子は目を開けた。そして安西が自分の足首をつかみ、持ち上げ、左右に押し開こうとしているのを知って悲鳴を上げた。
安西は美奈子が抵抗する隙を与えなかった。足首を自分の胸の高さにまで持ち上げ、一気に割り裂く。密着していた両足が離れる。足首を離し、すばやく膝の裏側をつかみ直すと、やや外側に広げ加減にしながら前方へ押し込む。美奈子の太ももはV字に開かされながら、美奈子自身の上半身に重ねられてゆく。それと同時に尻がシーツから浮き上がり、股間が安西の目の前にささげられる。
あっという間に美奈子の股間はその全体像を安西の前に晒していた。
「ああっ!な、何をするんですか!や、やめて!お願い!」
美奈子の絶叫が上がった。安西が膝の裏を押した際に、とっさに股間を両手で隠そうとしたのが更なる不幸を呼んだ。手が三角形の丘の部分に届く前に、覆い被さってくる太ももとウエストの間に、両腕ともがっちり挟まれてしまったのだ。
安西が体重をかけて美奈子を押さえつけようとしてくるので、二本の腕は圧迫されたままピクリとも動かせない。必死にじたばたと身体をくねらせてみるのだが、男の力には到底かなうはずもなかった。
美奈子の股間は、再度安西の鋭い視線に晒されることになった。
「い、いやあ‥‥お願い、やめて。‥‥見ないで」
美奈子の懇願も安西の耳には心地よいBGMであった。剥き出しの股間をじっと眺め渡す。
先ほど美奈子の股間を眺めたときは、安西のほうにも落ち着いて凝視するだけの余裕がなかった。美奈子の女の部分を初めて視覚に収めることができた歓喜に加え、予定外の悪戯がまんまと成功した気分の高揚が、どことなく視線の上滑りを呼んでしまったのだ。
が、今回は違う。二度目であり、美奈子の抵抗を完全に封じ込めた上での凝視だ。
科学者のような冷徹な目で、美奈子の女の臓器を観察した。
外側のぽってりとした肉厚の土手は、大きく開脚されているので、内ももの皮膚によって引っ張られ、すっかり口を開いてしまっている。
しかしその内側の扉は、美奈子の緊張を反映しているのか、ピタリと合わさってほころびがなく、内部の船底型の粘膜までは見ることができない。
「見ないで‥‥ああ‥‥お願いです。な、なんでこんな‥ことを‥‥するんですか」
美奈子の女の哀しみに満ちたうめきが上がる。
股間を凝視する安西がニヤニヤ笑いながら口を開く。
「なんでって、わかるでしょう、奥さんの身体を調べてるんですよ。どの辺りを写真に撮ったらいいか、ね」
「そんな‥‥芸術写真って言ったのに‥‥」
「もちろん芸術ですよ。奥さんの美しい部分を探しているんです」
「そ、そんなところ‥‥ちっとも綺麗じゃ‥‥」
「ははは、奥さん、謙遜しちゃいけません。奥さんの“ここ”は綺麗ですよ。芸術の名ににふさわしい。一輪挿しの花みたいですよ」
「ああ!やめて!見ないでください」
美奈子は屈辱で真っ赤になる。何とか安西の束縛を逃れようと暴れるが、がっちり押さえられてしまっていて身動きがとれなかった。
それどころか安西は、淫猥な表情を浮かべた顔面を、美奈子の亀裂の部分にいっそう接近させる。数センチの距離を置いて、男の醜い顔面と女の美しい秘部が正対する。
興奮で息を弾ませながら、美奈子の女の佇まいを網膜に焼き付けていった。
大きく深呼吸してみる。女の性器特有の饐えたような匂いが、かすかに鼻孔をくすぐった。美奈子の女の匂いだ。
安西は陶酔するように何度も空気を吸い込んで、美奈子の匂いを堪能した。
美奈子は不意に自分の恥毛が風にそよぐ感覚を覚え、はっとなって顔を起こす。心臓がドキンッと跳ね上がる。大きく割り裂かれた股間の上を、安西の薄くなりかけた頭頂部が覆っている。下を向いた顔面が、女の泉へ今にも触れんばかりの至近距離だ。
頭部の背後に見える肩が大きくゆっくり上下している。深呼吸しているらしい。
――えっ?な、なに?なにをしてるの?
そのとき再び股間の茂みが微風によって震えた。
「あああっ!」
美奈子は一瞬で悟った。さっきから自分の羞恥の茂みを戦(おのの)かせているのは、男の呼吸だったのだ。男は――股間の匂いを嗅いでいるのだ!
「いやーっ!そ、そんなことしないでェ!離れてェ!お願い!」
美奈子の絶叫が上がる。